映画『レディ・プレイヤー1』感想 ※後半にネタバレあり

「俺はガンダムで行く!」を劇場で拝まないまま死ぬわけにはいかないと思いたち、乗り遅れもいいとこですが、滑り込みで観に行ってきたので感想書きます。
とんでもなくパワーのある映画だったことは間違いないので、興味あるけど観てなくて最寄りの映画館でまだ上映してるという方は是非行きましょう。




まず映画の内容についてざっくりと。
舞台は2045年の近未来。
世界はこれまでに起こった諸問題を背景に、多くの人々の暮らしぶりは後退を余儀なくされていた。
荒廃したトレーラーハウスに住むような人間の存在も珍しいものではなくなり、皆現実世界では抑圧された不自由な日々を送っている。
だがそんな彼らにとっての希望が、『オアシス』と呼ばれる超精巧なVR(バーチャルリアリティ)を用いた夢溢れるゲーム空間の存在であった。
今は亡きオアシスの創始者が残した、「三つの謎を解いた者に自身の全財産とオアシスの管理権を授ける」というメッセージが世界中を熱狂の渦へと巻き込んでいる。
主人公の若者ウェイドもまたその巨大な謎を解き明かし、つまらない現実からの脱却を目指す一人であった。


と、筋書きは非常にシンプルなもの。
王道を通り越してベタですらあると言えるでしょう。
しかしもう初っ端からそんなことはどうでもいい!と言わんばかりの映像圧が襲いかかってきます。
これでもかというぐらいギラギラとしたパワフルなCGで構成された『ゲームの世界』を見せつけられます。
それもものすごく既視感のある感じのをガンガンと。
この映画は最早言うまでもないと思うんですが、映像の随所にゲームを始めとした既存のサブカルチャーの要素が詰まりに詰まっており、そういう意味では目新しさは個人的にはほぼ皆無だったとまず言っておきます。
それでいてどうしようもなく魅力的なのが、「ああこういうの知ってる!わかる!めっちゃわかるぞ!」というような感覚を超ド級のCG映像でぶん殴るように味わわせてくれるところにあります。
どこかで見たような雰囲気の惑星、武器、シチュエイション…途方もない勢いのパロディ・オマージュで構築された徹底ぶりは感嘆に値します。
まさしくオタクにとっての理想郷がオアシスである、と言っていいでしょう。

それ故に、この作品を楽しむためにはおそらくある程度のオタク的教養が求められる…言ってしまえば極めて『内向きな作品』だと思います。
もちろんガンダムを目当てに観に行く…みたいなのも全然アリだと思います。自分も似たようなもんでしたし。
ただ例えば、本当にガンダムしか知らない人間が楽しめるか?と言われると…ちょっと難しいのではないのかな、と思う作品であったことも確かです。
元ネタを全部知っている必要までは全然ないんですが(そんな人果たして何人いるのかと思ってしまうぐらい多い)、多少はわかっていないと終始置いてきぼりにされてしまいそうなぐらいの密度。
そのネタ元はゲーム・アニメ・特撮・アメコミ・映画など多岐に渡ります。
多少でもわかる自信がある人になら、自分はそこそこのオタクであるという自負がある人にならもう全力でオススメできます。
元ネタそのものはわからなくても、込められた文脈を読み取ってニヤニヤできることでしょう。
そういう映画です。
ついでにアメリカのオタク文化にちょっとでも理解があるとなお楽しめるはず。

これはスティーヴン・スピルバーグという誰もが知っている巨匠が、アーネスト・クラインというディープな原作者とタッグを組んで全身全霊で遊び尽くした映画です。
遊び心の暴力だとすら思いました。
飽きさせることを知らない、エンタメの一つのお手本とも言えるでしょう。

…ただあえて気になった点があるとするならば、この映画はあらゆる意味で『割り切った』作りになっていること。
兎にも角にも最高の仮想現実ゲームであるオアシスを舞台とした映像表現や、数々のパロディ・オマージュの嵐がメインであり、ストーリーやキャラクターはそれらを表現するための言わば舞台装置のような感も。
王道と言えば王道なのですが、ちょっととんとん拍子に事が進みすぎやしないかと思うような場面もあります。
単純にストーリーだけ追っていくと結構な勢いでツッコミどころがあります。
とは言えこのあたりは粗と言うよりは、取捨選択の結果なのだろうと思います。それでなくても140分の長尺ですからね。
あのディストピア感漂う世界はもっと掘り下げてほしかったなぁという気持ちもありますが…。
あとラストのオチも賛否両論分かれそうだなぁと。

総じて、かなり尖った映画であると言えます。
そういう意味でもオタク向け。
ただ最初から最後まで尖りきっているかと言うとそういうわけでもなく、作り手の良心というか、親心みたいなものも感じられて…そこをどう受け止めるかが評価の分かれ目になるかもしれません。

※以下、ネタバレ感想をいくつか。未見の方はご注意ください。
























●ネタバレあり感想色々と
最初の謎解き、逆走するだけOKなのかよ!?と思わず突っ込んでしまったのは自分だけではないはず。
それぐらい誰も試さなかったのか…?というような。
ただあれは映像表現としての気持ちよさ優先みたいなところもあるんだろうなとも思ったり。
皆が地上で苦戦しているのを尻目に、悠々と安全地帯を通っていくというのは、得も言われぬチート的な快感があります。
そういう割り切った上でのツボの押し方が上手いなと。

サマンサとあまりにもスムーズにくっついた上にオチのアレはシュールすぎるよウェイド君!
ああいうのって日本だとどっちかというと悪役ムーブ的な印象が強くて正直笑ってしまったんですが、向こうの感覚だとそうでもないんだろうか…?
「ゲームもいいけど現実も大事だぞ!」というベッタベタなメッセージを入れ込んでくるのはテーマとしてはとてもよく理解できるんですが、世界中の人々にとってはディストピア入ってる現実から逃避するためのオアシスでもあったわけで、そこについてはもうちょっと詳しくフォローしてほしかったなーという感覚はどうしてもありますね。
でも人付き合いが苦手だったハリデーが理想の仮想空間を作り、それでも現実を否定しなかったということがわかる最後のあの下りはやっぱりとても好きです。

アイロックはいいキャラしてただけに終盤で見せ場もないままリタイアしてしまったのが残念。
爆弾が爆発する際にソレントを止めに入るかとも思ったんだけどなぁ。
あれはあれで長期プレイヤーの悲哀みたいなのを感じて結構好きですが。
あと自分なりにお仕事頑張ってたフナーレさん(やってることはガチ犯罪ですが)も結局ほとんどいいとこなくて、ある意味作中で一番可哀想な人だったかもしれない…。
ストーリー的に必要な人だったのは確かなんですけどね。

サマンサに対してニンジャはハグしない!って突っぱねるゾウが不意打ちおねショタ力高くてヤバかったですね…ええ、あれは本当に不意打ちすぎた。
二人をガン見するとことかもいい味出してましたあの子。

モブにも気合入りまくってるこの作品ですが、個人的一押しはクラブの猫娘さん。
めっちゃケモ可愛かったけど元ネタとかあるんだろうか…?

期待していた「俺はガンダムで行く!」からのメカゴジラ戦は最高でしたぜ!
変に原作に寄せずにダイトウの操る「レディ・プレイヤー1のガンダム」という一つの存在として確立させたのは流石スピルバーグと言わざるを得ませんでした。
そしてアイアン・ジャイアントの最期のサムズアップでもう笑いながら泣きそうになりましたとも。
「あーそれをやるか!やってくれるのか!やるよな!!」って感じで。
猛烈にメカゴジラの立体が欲しくなったけど…いいのは高いんだよなぁ…。

とにかくオタクネタの宝庫と言えるこの映画。
大画面コマ送りで見てみたいシーンの連続すぎて、ブルーレイの発売が待ち遠しいですねー。
原作小説も読んでみようかな?










     

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ふらっと

Author:ふらっと
玩具やらゲームやらアニメやら、広く浅くを地で行くヌルヲタです。
推しジャンルはSDガンダムと女性型ロボ。
その場その場の勢いだけで記事を書いております。
たまーにニコ動で動画投稿なんかも。
http://www.nicovideo.jp/user/981172

リンクフリーですのでお気軽にどうぞ。
ただし記事や画像の無断転載はご遠慮ください。
※サブカル格納庫。は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。

最新記事
フリーエリア
カウンター
カレンダー
11 | 2018/12 | 01
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
リンク
QRコード
QR