ホラーサスペンスノベルADV『レイジングループ』ネタバレ無しレビュー

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●メーカー:ケムコ
●プラットフォーム:スマートフォン(Android・iOS)/ニンテンドーswitch/PSVita/PS4/PC(Steam)
●発売日
スマートフォン(Android・iOS):2015/12/3
PSVita:2017/1/11
PS4:2017/3/1 ※パッケージ版は2018/1/25
ニンテンドーswitch:2017/8/3
●価格
スマートフォン(Android・iOS):通常版:1,080円 プレミアムセット:1,600円
ニンテンドーswitch/PSVita/PS4/PC(Steam):3,000円
PS4パッケージ版:3,600円
(価格はいずれも税込み)
●ジャンル:ホラーサスペンスノベルADV


興味はあったもののずっと買わず終いで、少し前の初セールでようやくswitch版に手を出したんですが…なんでもっと早く買ってプレイしなかったんだ…と後悔するほどの内容でした。ええ。
結論から言うと、とても丁寧に作られた良作テキストアドベンチャーです。


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導入としては、バイク旅行の途中で道に迷い、挙げ句に事故を起こしてしまった主人公が近くの村の住人に助けられるところから始まります。


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左の男が主人公の房石陽明。
右の女の子が陽明さんを助けた芹沢千枝実さん。このゲームのヒロインです。


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村の人達の雰囲気に妙なものを感じながらも、バイクを修理して帰るべくお世話になる陽明。
だがそんな中、村には謎の赤い霧が立ち込める。
そこで起こった凄惨な殺人事件……それは村の因習に則った恐るべき殺人儀式『黄泉忌みの宴』の始まりを告げるものだった。


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村人の中に正体を隠し存在する「おおかみ」役を、宴の参加者全員による話し合いで見つけ出して『くくる』…即ち、処刑しなければならないのだ。
さもなくばおおかみ以外の村人全員が惨殺されてしまうこととなる。

これは実在する『汝は人狼なりや?』(所謂人狼ゲーム)がベースとなっており、論理とコミュニケーションによる駆け引きが非常に上手く描かれています。
劇中でもルールやセオリーなどに関する解説は事細かになされていますので、人狼ゲームを知らなくても特に問題はありません。


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そんな最中に陽明は人狼を目撃し、その手で命を奪われることに。
……しかし。


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自分が死ぬ前の記憶を保持しているという謎の『死に戻り』現象によって、徐々に事件の真相に近づいていく陽明。
果たして、そこで待ち受ける真実とは…?

と、いうのがおおまかな流れとなります。
タイトルからもわかるように、所謂ループものですね。

基本的には一本道ですが、新たなルートに突入する度に新たな衝撃を与えてくれるストーリー構成は秀逸というほかありませんでした。
ノベルADVというだけあって、小説を読むような感覚でプレイすることができるゲームとなっています。


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一癖も二癖もある登場人物との交流も見どころ。


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老若男女様々なキャラが出演し、閉鎖的な村社会の有り様がしっかりと描き出されています。


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この手の話には付き物のイカれた爺さんも登場。


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主人公とはまた別に現地入りしている部外者の方々も登場。
こういう人たちの存在もやはりお約束です。


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いかにも謎めいた女の子たち。
上の人はタイトル画面にもいる回末李花子さん。
このゲームにおけるもう一人のヒロインと呼べる存在です。
具体的にどういった役回りになるのかは、是非とも実際にプレイして確かめていただきたい。


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村の人間としては文化的だけど嫌味で神経質な権力者……という、これでもかというぐらいベタさを詰め込んだような造形のキャラも。
なおこの能里さん、これでもかなりの人気キャラだったりします。
その理由は…やはり実際にプレイして確かめて欲しい!

そして彼に限らずですが、この作品に登場するキャラクターは皆その人間像が非常に細かく描写されており、それぞれのキャラにはそれぞれの事情があり、背景があり、誰もがそこに生きている人間であるということを伝えてくれます。
そう言った意味でも非常に良質なゲームであると言えるでしょう。


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なおCERO:D(17歳以上推奨)指定ゲームということで、残酷な表現がガンガン出てきます。
とは言えビジュアル的にはおおよそこんな程度ではありますが。
文章の方では本当に容赦なく殺人描写やらゴア描写やらが入ってますので、苦手な方はご注意ください。


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またポイントとしては、設定の作り込みが半端ではないことが挙げられます。
『黄泉忌みの宴』を中心とした村の成り立ちやそこに秘められた謎に至るまで、圧巻と言えるほどの完成度。
上の画像を見てもわかるように、日本神話や神道が大きなベースとなっており、伝奇物としての雰囲気作りにこれ以上ないぐらいの効果をもたらしています。
自分はこれが切っ掛けで日本神話に興味を持ったぐらいです。
好きな人はこのあたりのテキストだけでも相当たまらんのではないでしょうか。


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テキストADVとしても洗練されており、スキップやオートモードなどの基本的な機能はもちろん、ボタン一発でこのようなチャート画面に移行することができ、いつでも好きな場面へ飛ぶことができます。
ループものというジャンル上、繰り返しのプレイを余儀なくされるわけですが、そこのストレスを大きく軽減してくれています。
知ってる方は極限脱出シリーズみたいな感じのだと思ってもらえればいいかと。


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さてここまでべた褒めしてきましたが、当然ながら気になる部分もあります。
まず、テキストについて。
人によってはキツそうなレベルのギャグだったりパロディだったり掛け合いだったりというのがちょいちょい挟まれます。
良くも悪くも同人っぽいノリとでも言えばいいんでしょうか…これがかなり好み分かれるんじゃないかと。
とにかくグラフィックといいストーリー運びといい陰惨な雰囲気の強いゲームで、これがあるおかげで陰鬱になりすぎていないとも言えるので個人的には嫌いではないんですが…。

そのため、まずは体験版として初回ルート一本を無料プレイできるスマートフォン版で合うか合わないかを判断してみるのをオススメします。

ストーリーに関してもこれだけ予め言っておくと、全てが現実的なロジックで解き明かされる類のものではありません。
なので、そういった意味での純度の高いミステリーを求めている方にもオススメしにくいと言えるでしょう。


最後に、各ハードの違いについては公式スタッフの方がまとめてくださっているのがわかりやすかったです。


なおVita版はスキップ速度が遅いという公式コメントもあるので、個人的にはやはりswitch版をオススメしたいところ。
ADVと携帯モードの相性は本当に良いです。
スクショ撮りやすいのも◯

あと微妙にどうでもいいことなんですがこのゲーム、文章量が多すぎて翻訳のハードルが高く他言語版出すのが難しいと明言されているゲームでもありまして。
そのためPC版を提供しているSteamでは日本語版しか存在しないという、Steamでもかなり珍しいタイトルになっています。
それで出せるんだ…とちょっとビックリ。

最近とにかく減ってきたテキストADVというジャンルですが、飢えている方は是非やってみるべし!
と言える骨太なゲームであることは確か。
これで定価3,000円は安いぞッ!!







     

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